前回FT-818NDの記事でも少し触れましたが、この6W機で初めてA1 CLUBのQSO PARTYに参加してみましたので、その時のことを少し書いておきたいと思います。
A1クラブのページにも私のコメントがありますので、概略はそちらの方をご覧頂くとして、私はこの時点で和文がまったく出来ず、欧文でもラバスタもおぼつかない状況で、それまでの交信もほとんど599BK TU VA E Eでした。それが、欧文ラグチューに踏み出そうとしているのですから、かなり無謀な企てです(笑)。
アンテナは釣り竿を張り出せないマンションゆえ、ベランダにこっそり出している2mと430のGPでやるしかありません。そこで取った作戦は、2mなら交信機会は増えるかもしれないけれど、和文勢力が強いので、「ホレOK?」にSRIと答えるのも少し面倒でしたので、ほとんどモールス符号の聞こえない430でやるしかないかな、というものでした。
一番最初は、2m(144MHz)で、たまにホレではないCQも出ていますので、そちらに応答してみたのですが、NAME(OP)は聞き出せたものの、Keyを聞いても、ファイナルを送られてしまって、これは430で先輩方の胸を借りるつもりでCQを出してみるしかない、と決意。芦川先生の『実線ハムのモールス通信』でも上達するには自分からCQを出して、冷や汗をかきながら聞き取って慣れていくしかない旨書かれていますし、実際、いまCQを出している人たちだって、最初は通った道だと思えば、自分もこの試練(笑)に耐えるしかないだろうと思ったわけです。
これはCWの応答デビューの時も同じ考えでしたが、最初は誰でも一年生です。冷や汗と恥をかきながら上達していくというのは、何もアマチュア無線だけに限らないでしょう。幸い430のCW帯は聞いている人も少ないので、迷惑をかける人も少ないでしょうが、それだけ応答率も低いわけで。難しいところではありますが、自分としてはここで少しでもステップアップできれば…との目論見でしたので、アワードは貰えなくても(参加賞は貰える(笑)し)、少しでも進歩できれば好いというつもりで始めました。
ただ、自分からCQを出すに当たって、「これだけは厳守」という項目を設けました。それは交信中は、ネットにも接続せず、ハムログにも入力しないことです。これは自分の聞き取り能力を少しでも高めるために必須だと思ったのです。ネットでコールサインを検索すると、その人のサイトやSNSでCWで使うハンドルやQTHは判ってしまい、それを見て聞き取りをしても、聞き取るというよりは聞きながらそのデータを追認するだけに終わってしまい、聞き取り能力の向上には寄与しないと思ったからです。
そしてもうひとつ、自分からCQを出した交信には、最後にStay Home es FB Ham Life.と打つように心懸けます。これはもちろん、コロナで外出がかなり厳しく自粛を求められている中、お互い頑張りましょうというエールを送るためです。
初めてCWでCQを出したのは5月の6日、GWの最終日でした。
CQ CQ A1 PTY DE JI1BJK JI1BJK JCC 1013 1013 PSE QRS K
やはりというか、何度打っても応答はありません。 まぁ、430といえばFMがほとんど。せいぜいいいとこSSBですから、CW帯である430.100の下をワッチしているひと自体少ないですし、6Wというショボ波をGPで飛ばそうというのですから、いくら高台に建つマンションで眺望良好とはいっても、聞こえる局は自ずと限られてきますから無理もないかな…、そんなかんじで、諦めて16時頃でしたが、ひとまずCLを打ったところ、コールをくれた同じ市内のOMさんがいらして、つっかえ、つっかえしながらお名前QTH等聞き出したあとUR KEY?と伺ったところ、すんなりと(しかしゆっくりと何度も辛抱強く)メーカー名と型番を打って下さり、無事交信を終えることが出来たのです。
いやぁ、うれしかったです。やっぱり430じゃCQ出しても応答なんかあるわけないか…と諦めかけていたところでしたので、一局でも応答があって、しかもお題の相手の使用電鍵KEYを聞き出すことになんとか成功したのですから。やっぱりCWやっている人は親切な人が多いな…との印象を新たにしました。
これで火が付いたのでしょう。めげずに430でCQ A1 PTY PSE QRS K を繰り返し打つようになりました。5/9土曜日には私の打ち間違いだらけで弱い信号のはずのゆっくりCQに遠方(茨城県と静岡県)から2局も応答があってびっくり。これはあとで気がついたのですが、ちょうどVHFコンテストがあって、ワッチしている人がいたのが理由だったようです。お二人ともKEYが聞き出せなかったのは、私の聞き取り能力が劣っていたためなのか、コンテストだと思って声をかけてきたため、私のショボ波ではKEYを聞いていることすら判らなかったのか、よくわかりませんでした。
翌日の日曜日は、1局目はこちらが応答側だったのと例によってこちらの弱い電波のせいで、相手にこちらの質問が伝わらずにファイナルを送られ少々ガックリきていた(このあたりで、もうアワード獲得は諦めていました)のですが、夜になって自分から出したCQには群馬県から応答があって、OP、RIG、ANTのほか、しっかりKEYも聞き出せました。
月曜夜には2mでCQが出ていたので、それに飛びついたところ、KEYを聞いてきてくれたので、これはラッキーとばかり、こちらもKEYを聞き出すことに成功。そのあと、QSYしてSSBでもA1パーティや2mのCWの状況などお話しできて、本当に勉強になりました。
5月の後半に入ってくると、こちらのCQに対しては、ほぼ100% KEY? の質問に即座に答えが返ってくるようになり、しかもほとんどの方が私の知っているハイモンドの電鍵だったのと、ゆっくり打って下さったこともあって、大抵は一度でコピーできました。
そしてそして、KEYを聞き出すのに9局目となった5月24日。2m、おそらく出ている周波数からいって和文相手かな、とも思ったのですが、特にホレ指定でない局長さんのCQに食らいついて、半ば強引に欧文のみで(笑)KEYを聞き出し、アワード達成の10局目との交信に成功。ずっと飲んでいなかったヱビスビールのロング缶で祝杯を挙げました(笑)。
その後も5月の31日までは…ということで、CQを出していましたので、30日には11局目の交信でもKEYを聞き出すことに成功。ちょっと変わった名前の電鍵だったのですが、QSL交換をeQSL指定してきてくれ、そのeQSLに使用電鍵の写真を載せたSNSへのリンクを張って下さり、実物の形と名前を再確認することも出来ました。
こうして、うれしさのあまり、6月1日、ログ提出日の初日(早朝(笑))にメールでA1クラブへログを提出。その週の週末には早くもメールにより参加賞(トップ画像)とアワード(PDF)がファイルで届きました。なかなかかっこいいデザインで、気に入っています。
アワードがとれたのも親切なCWerの方たちが辛抱強く私の交信につきあって下さったおかげですから、本当に感謝しています。
あと、2mと430だけで達成したのは結構自分としては誇れるのでは、などと思ってしまったりします(笑)。単にHFに出るANTがないだけだろ、といわれればそれまでですけど。。。
あと、2mと430だけで達成したのは結構自分としては誇れるのでは、などと思ってしまったりします(笑)。単にHFに出るANTがないだけだろ、といわれればそれまでですけど。。。