交信相手を探して、バンド内をうろうろしていると、日本国外からのCQを結構耳にします。下手な国内局より強力に入感している海外局はたくさんあるもので、CWデビューをしたGW中にも、7メガでW1AW局など応答してみました。しかしながら、国内局でさえ拾うのに四苦八苦な当局の微弱電波が海を越えた北米まで届くはずもなく(?)、こちらのコールが終わる前にCQの再送出が聞こえてくる始末(笑)。

その後も、懲りずに聞こえている海外局にダメ元で何回かコールしてみましたが、結果は同様。一度QRZ?と聞き返されたことがあったのですが、意地の悪い局にビートをかけられ、CQ局も怒ってQRTしてしまったりで、ああ、やっぱり新しいリグ買わないとDXはお話にならないのかなぁ…と諦めかけておりました。

ところがところが…

5月の24日土曜日のことです。この日は午後から用事があったため、午前中からワッチしていたのですが、なぜかふと28MHzという普段閑散としたバンドに行ってみる気になったのが始まりでした。

この日はCQ World-Wide WPX Contestが開催されていて、聞いていると、ニュージーランドの局が結構強力に入感しています。ネットで調べてみるとコンテストナンバーはRSTの次に001からの続き番号を送ればよいだけの簡単なもののようです。コレなら出来るかも知れないなぁ…。

ただ私はこれまで一度もコンテストに参加した経験はないのです。CWデビューして一ヶ月も経っていない者がコンテスト、それもワールドワイドのコンテストなどに参加してしまって好いのだろうか、とビビる気持ちもありましたが、よく考えてみれば、それは私の電波が相手に届いてしまったときの話で、今までの経験から自局電波が外国に届くことはまずない、というのがありましたので、半ば冗談半分で、CONDXが上昇してきたピークあたりで、JI1BJKと打ってみました。

まぁ、万が一届いたとしても何度か聞き返されるだろう、と思っていたのですが、一発で「JI1BJK UR599 07○」と返ってきてしまったのでびっくり仰天(笑)。落ち着いて落ち着いてとは思いながらも正確にレポートを送出するのがやっと。コンテストナンバーを送り忘れそうになってしまいました。

あまりにあっけなく、初のDXQSOができてしまったわけで、しばらくは呆然としていました(笑)。我に返って相手のコールをネットで調べると、QSLはダイレクトのみとのこと。拙い英語で、自分にとって初めてのDXであること、自分のQSLカードの日本語は読めないと思うので、図柄の説明として書いてある日本語を英語で説明した文章を添えてIRCとSASEを同封。航空便で送ってみました。

するとすると、約二週間ほどで返信が来ました。確かに交信したと記載されたQSLカードと親切なお手紙が入っていました。手紙によれば、1970年に日本に来たことがあり、日本語も少し話せるとのこと。今回のDXをきっかけにがんばってDXCCを目指してください、なんて激励までいただきました。

いやぁ、うれしかったです。それにこのQSLカードは1stDXのQSLであると同時に、コールサインJI1BJKで初めて手にしたQSLカードで、もひとつ付け加えれば、ダイレクトで交換した初めてのカードだったわけで。これはいわば私の大切な宝物です。

後日気がついたのですが、ニュージーランドと日本て距離的に随分離れているのですね。時差があまりないので、もっと近いのだとばかり思っていたのですが、私の大好きな北欧のフィンランドよりも実際は遠距離にあって、8000km以上離れているのです。そういえば、飛行機で十数時間かかるとか聞いたことがありましたっけ。。。

こんな5Wの微弱な電波がベランダの軒先に突き出した釣り竿アンテナから発射されて、はるばる海を越えて南半球の彼方まで届いてしまうなんて、ホントしばらくは信じられない気持ちでした。

しかし、ハイバンドでは特にそうですけれど、DXていったんオープンした状態になると、出力は余り関係なく、届くときは届くものですね。もちろん、パイルアップ状態では無理ですが、ノーパイル状態であれば、condxさえ整っていればQRPでも交信可能です。実際このあと、8月14日現在で、計10回DX交信できています(のべ総交信数87)。それもこれもCWだから、なのでしょうね。。。